深百菓のはじまり
子どもの頃から、わたしはおばあちゃんの手づくりご飯をたくさん食べて育ちました。
実家が農家だったので、お米や野菜はもちろん自家製。
山に行けば、タケノコ、山菜など、自然の恵みが身近にあり、
暮らしの中には、当り前のように手づくりの味噌や漬物、甘酒などがありました。
とても豊かな食生活だったと、大人になって感じます。
深百菓〈みもか〉の原点
それは、おばあちゃんの大福。
自家製のもち米を蒸すところからはじまって、
つきたてのお餅でつくるため、「ぎゅうひ」を使った市販のものに比べて
お餅本来のもっちり感や風味が生きています。
その大福や巻きずしがご近所で評判になり、
いろんな方が買って下さるようになったおかげで、小さい工房ができました。
まだ看板もない、作業場だけの工房です。
この場所で、祖父母が昔から大切につくり続けてきた味を受け継いでゆくこと。
それが、わたしの役目なのだと感じています。
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しん、と静まり返った森が
まだ月夜に照らされている頃、
深百菓の工房に、ぽつんと明かりが灯ります。
群青色につつまれた空の下では、工房の中はひんやりと冷え切ったまま。
ここで毎朝、もち米を蒸し、あんこを練り、
一つひとつの和菓子を手作業で丸めています。
今日もだれかの口福へとつながりますように―。
そう願いながら、深百菓の朝がゆっくりとはじまります。
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私たちは一つひとつ、なるべく自分たちの手づくりにこだわっています。
お米は自家製、きな粉も大豆から育てたものを炒って、よもぎはたくましく育った野生のものを。
それらは、南小国の大自然に育まれた自然の恵みそのもの。
小豆は厳選した北海道産のものを。
私たちが自信を持ってお届けする、素材本来の香りや美味しさを、ぜひ味わってください。
米
水と空気がきれいな阿蘇の田んぼで祖父と父が育てているお米です。
種まきから稲刈りまですべて自分たちで行っています。
小豆
こだわりのこし餡には、厳選された北海道産のあずきを使用。
あずきをゆでこして、毎日手で練り上げています。甘さ控えめで人気です。
きな粉
自分たちで炒った大豆を地元の製粉所で挽いてもらっています。挽きたての香りはとてもいい香りです。
よもぎ
春の日差しをたくさんうけた新芽を摘んで一年分冷凍保存しています。
体にもとても良いと言われているよもぎ、日本ハーブの女王とも呼ばれる万能な山菜です。
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ばあちゃんの味わい深いをお菓子を、たくさん届けたい。
そんな想いから深百菓〈みもか〉と名付けました。